2年前の5月のこと。
とある鎮守神社の参拝を済ませ
周辺を散策していた。
そろそろ戻ろうかと歩き出した その時
自転車に乗った お爺ちゃんに遭遇。
「こんにちは!」
「やあ」
そのまま通り過ぎるつもりだった。
お爺ちゃんの視線が
こちらに釘付け。
とっさに
変に怪しまれてはいけないと思いながら
自転車のカゴの中にクワを発見。
「これから畑仕事ですか?」
「体がな段々と おとろえてくるでな
車乗れやんで自転車乗ってな」
「おいくつですか?」
「70歳」
「お元気ですね!」
「20歳から30年ソフトボールの
ピッチャーしとったんさ」
「すごいですね!」
「体がな段々と おとろえてくるでな
毎日歩いとる」
「ご近所ですか?」
お爺ちゃんは
来た方角を指さした。
「えらいで(疲れたので)押してくわ」
「お気をつけて!」
再び歩きながら思った。
あれは
鎮守の神様だったかも知れない。
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