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着物のお手入れはどうしたら良いですか?お客様からご質問がありました

お嬢様の卒業式に参列されるお母様のお支度をさせていただきました。
以前からリピートでご用命くださっているお客様です。

その時にいただいたご質問です。

仕立てた着物のお手入れはどうしたらいいの?

お客様の状況

  • はじめて訪問着を2枚仕立てた
  • 長襦袢1枚で共用
  • 卒業式と入学式でそれぞれ着る
  • 仕立てたお店でのクリーニング代が
    5万円と聞いて高いと思っている
  • ゆくゆくはお嬢様たちに譲りたい
  • 今回着付け当日の天候が雨

私が何度かクリーニングで利用しているお店が、お客様のご自宅から近いこともあり、
そちらをご案内して差し上げました。
また、いくつか別なお店で見積もりを取って
比較することもお伝えしました。

お客様にご説明したこと

目次

着物をクリーニングに出すまで

「まず、お持ち込みするのは今回お召しのお着物のみです。長襦袢や帯は出しません。お持ち込みの前に、ご自分で汚れを確認してください。おそらく、お顔まわりに近い衿がファンデーションで汚れていると思います。また、今日の雨で泥跳ねが裾まわりに飛び散っている可能性もあります。もし、お着物でお食事などされている場合は、食べこぼしや調味料などの小さな汚れがついていることもあります。」

「それらを確認した上で、お店側に伝えてください。汚れは、時間が経つと落ちにくくなりますので、お早めに伺うのをお勧めいたします。」

お店から勧められること

「見積もりを取る際、お店側からパールトーン加工やガード加工などといった撥水・防汚加工をお勧めされるかも知れませんが、お断りして良いです。理由は、※頻繁に着るものではないからです。こういったお着物のほとんどが長い間タンスにしまわれます。何年かに一度袖を通すか通さないものに、撥水・防汚加工のための料金を払うのは、コストパフォーマンスが悪すぎます。また、ゆくゆくお嬢様たちにお譲りすることをお考えであれば、撥水・防汚加工はしない方が良いです。なぜなら、お嬢様たちがお着物の色を変えたいとなった場合、撥水・防汚加工してあると染め替えができないからです。」

お着物を受け継いでいくための融通が利かなくなります。

※私は、むしろ頻繫に着るものこそ撥水・防汚加工が必要だと思っています。
個人的見解です。

自宅で洗濯できるもの

「足袋、和装下着、これだけです。足袋の底にウタマロ石鹼をこすりつけて、亀の子タワシで汚れをかき出してください。すすがずに石鹼がついたまま洗濯ネットに入れたら、和装下着と一緒に洗濯機に放り込んでOKです。乾燥機はNGです。乾いたら、アイロンをかけておくとベストです。腰紐も汗が乾いたらアイロンをかけておくと良いです。」

今後の流れ

「次回は、入学式でお召しになったお着物と一緒に長襦袢もクリーニングに出しましょう。気になるようであれば、帯揚げ(今回使用分と次回使用分)も出しておくと良いです。この時も、とくに汚れていなければ、帯は出しません。」

注意事項

「クリーニングから戻ってきたお着物は、洋服用の防虫剤はNGです。乾燥剤を使用してください。また、ウール素材のものと一緒にしまわないようにしてください。虫に喰われます。」

その他

「クリーニングに持ち込むまでの間、お着物をかけておく着物用ハンガーがあれば良いかと思いますが、ネットでも1,200円ぐらいで売っています。」

このお客様の場合、しょっちゅう使うことはないと思われるので、買わなくても良いかも知れません。

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